
デジタルツールを導入したのに、「結局使われなくなった…」「現場が定着しなかった…」
そんな声は、中小企業や小規模事業者の現場では非常によく耳にします。
実は、ツール導入がうまくいかない原因の多くは 「ツールそのもの」ではなく、「導入前の整理が不十分だった」こと にあります。
この記事では、初めてデジタルツールを導入する企業でも失敗しにくくなる、3つのステップをご紹介します。
STEP 1|なぜツール導入で失敗するのか?原因の9割は“整理不足”
ツール導入がうまく定着しないケースでよく見られるのが次のようなパターンです。
- 「目的」を決めずに、なんとなく導入してしまった
- 知り合いにすすめられたから、良さそうで入れてみた
- 現場の課題と機能が噛み合っていなかった
- 現場スタッフのITスキルとシステムが合わなかった
- 複数人で使いたいのに、一人しか使えないツールだった
こうした失敗はすべて、導入前の整理が不足していたことが根本にあります。
最初に行うべきは「業務の棚卸し」
“今どの業務が負担になっているか” を見える化することが、ツール選びの最初の一歩です。
棚卸しは次の 3つの視点 で確認すると整理しやすくなります。
1. 時間がかかっている業務
例)日報、集計、在庫チェック、メール返信
2.ミスが起きやすい業務
例)紙での伝達、手書きの管理、チェック漏れ
3.属人化している業務
例)一部の人しか分からないExcel・帳簿
棚卸しをするだけで「どこをデジタル化すべきか」「どこに投資すると効果が高いか」が自然と見えてきます。
STEP 2|棚卸し後にやること:課題を“見える化”し、優先順位をつける
棚卸しが終わったら、次は 課題の見える化と優先順位づけ を行います。
- 課題をリスト化する
棚卸しで出てきた課題を箇条書きで整理する。 - 業務フローに課題箇所の印をつける
“どこで詰まっているか” を可視化するため、業務の流れを書き出し、課題部分に印をつけます。 - 取り組む優先順位を決める
最も効果が出そうなところ×現場が取り組みやすいところを軸に検討します。 - 目的・目標を設定する
「何を解決したいのか」「どういう状態になりたいのか」を明確にすると、ツール選びで迷わなくなります。
STEP 3|目的を達成するためのデジタルツール選び“3つの基準”
目的が整理できたら、ようやくツール選びです。ツール選定で見るべき基準、最初のステップは3つからがおすすめです。
基準1:費用(初期費用より“月額コスト”を重視)
- 1ユーザー月額の違いが年間コストに大きく影響
- はじめは 少人数・最小限 ではじめるのがポイント
- 「いくらまでなら払えるか」を明確にする
中小企業・小規模事業者にとってランニングコストの管理はとても重要です。
基準2:操作性(現場スタッフが“使えるか”が最重要)
- スマホで使えるか
- 日本語UIが分かりやすいか
- 直感的に触れるか
どれだけ高機能でも、使われなければ意味がありません。「現場が使えるか」が最も重要な評価ポイントです。
基準3:継続性(サポート・アップデートの有無)
- 困った時に相談しやすいか
- 電話・メールサポートの有無
- 定期的なアップデートが続いているか
- ネット上に情報・ユーザーが多いか
“使っている人が多く検索で探しても情報が多いツール” “継続して使えるツール”を選ぶことが、失敗を避ける最大のポイントです。
まとめ:小さく始めて、改善しながら進めることが成功の近道
デジタル導入は、最初から完璧を目指す必要はありません。むしろ、完璧を目指すほどうまくいかないことも多いものです。
- 棚卸しで「課題」を知り
- 優先順位をつけ
- 3つの基準でツールを選び
- 小さく始めて改善していく
この流れをつくっておくことで、デジタル化がより進めやすくなります。まずは今日からできることを1つみつけて試してみてください。
